門下生、家を建てる。目の前に次々と現れる建築物

 そんなN・Tは、あと20分着くのが早ければ農作業に駆りだされていたかもしれないと恐れおののく。実際にやる前からにそこまで農作業が嫌いで大丈夫なのだろうかと、私は呆れ半分でN・Tを心配した。
 終始簡潔に、ひと通り屋内を案内してもらうと私達は表へ出た。
「あと一箇所。これが最後だ」
 玄関を出て、N・Tに案内されたのは母屋の裏側にある掘っ立て小屋のような孤立した木の家だった。
「一年前に完成したばかりの裏部屋だそうだ。工事にはプロの建築士も携わってくれたらしい」
「へー、よくできてるじゃん」
 よくよく見ていると、外壁の板に打たれた釘の位置がところどころいびつだったが、それでもとても素人たちが主体となって作ったとは思えない木造小屋の出来の良さに私は心打たれて、しばらくの間ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
「コレなんか、古株の門下生が一人で作ったらしいぞ」
 N・Tが指差したのはまだ輝きを失っていない庇だった。支柱と支柱の間が均等ではなかったが、それもまた、素人が手掛けたものとは思えない代物だった。