支給された弁当と束の間の穏やかな昼のひと時

「ここまでやる必要あるのかな。明らかなオーバーワークだと思う」
 一見しっかり作業に取り組んでいるように見えてM・Tも不満が溜まっているようだ。その後もM・Tは「普通は1時間に1回は休憩を挟むものだ」などと批判的に愚痴をこぼしていた。揃いも揃ってぐったりしながらもM・Tに同調していると、キャラバンの後部座席から手提げ袋を引っ提げてN・Hがやってきた。
「みんな。今日は特別だよ」
 一体何が特別なのかが今一ピンと来なかったが、N・Hは袋の中から人数分の弁当箱を取り出してそれぞれに手渡していく。言葉自体には「次からは各自で用意しろ」というニュアンスも含まれているのだろうか。
 私は針葉樹の根元に腰を下ろし、M・Tはキャラバンの助手席に。N・TとS・Kは軽トラの荷台でそれぞれ思い思いの場所で昼食を取る。
「俺も穴掘りてー」
「何なら交代しますか?こっちはこっちでちゃんとやってないとメッチャ怒られますけど」
 荷台で仲良く弁当を食べながら談笑しているN・TとS・Kの声が僅かに耳に届いてくる。
 そんな穏やかな昼のひと時は刹那的に過ぎ去っていった。ベルタ購入